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家の作りやうは夏を旨とすべし 

家の作りやうは夏を旨とすべし  アイチャッチ

床1今日の屋外は寒かったですね。
この時期、住宅の相談を受けると、きまって『冬、寒いの苦手なんです。夏は兎も角、冬暖かい家にしてください』って言われます。

こんな時、私は必ずお客さんに問い掛けます。
『冬暖かい家』と『夏涼しい家』と、どっちが静岡県に適してるんでしょう?って。

吉田兼好の随筆『徒然草』に「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり。」とあるのはあまりに有名な話しですが、まさにその通りではないでしょうか。

夏涼しく住んでいただくためには、屋内の湿度を下げることにより体感温度を下げたり、建物全体の風通しを良くするために吹抜けを設けたりすると快適です。湿度を下げる為には、調湿性の高い室内環境を整える必要があります。構造材(柱、梁など)に無垢材を使って真壁構造(柱を壁内に隠さない)にしたり、内装材に無垢の床や漆喰を使ったりするのはこのためです。

また、湿気の多いこの地域の住まいを長持ちさせる秘訣でもあるんですよね。

このような工夫によって、かなり夏涼しく過ごせるんですが、こういった素材を使った建物は結果的に『冬、暖かくなってしまう』のです。

今日、久しぶりに立ち寄った旧浜北市のNさんのお宅も床に厚さ3センチの天竜杉を使い、壁には土佐漆喰を塗ってあるのですが『こんなに冬暖かいとは思わなかった』そうです。ちなみに弊社の事務所も杉+漆喰で仕上げてあるのですが、社内にはスリッパすら無く社員もお客さんもみんな素足で快適に過ごせてます。

冬でもスリッパの要らない生活。結構快適です。

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