勉強会
『より良い物をより安く提供する』
これは、どんな商いでも共通である。勿論我々住宅業界でも・・・。
先日、浜松市内でこのテーマに基づいた勉強会がありました。
沢山の工務店経営者なんかが集まったんですが、その中に『自然素材を使って坪単価39万円』をうたい文句に商いをされている栃木県の工務店さんがいらっしゃいました。
その時は、方法こそ詳しくは語られませんでしたが、如何せん安い。
どうしてこんな価格で可能なんだ?
そんな折、実際の完成現場を見学しながらもう少し詳しくお話しを聞かせていただけるってことで、今朝から栃木へ。
栃木へ着くなり、『今日は都合により完成現場を見ていただくことができません。従いまして先日棟上げしたばかりの工事現場を見ていただきます』って事に。
えっ?どういうこと?
聞けば構造は一般の木造軸組み。
完成したものを見なければ意味が無いような気も。
こんなことならわざわざ栃木まで来なくても・・・。
まっ折角なんで気を取り直して、工事現場へ。
私の認識が甘かったか?
どこからどうみても自然素材住宅には・・・。
で、社長に聞いてみたら『土台と柱が桧です』って。
これも地域性でしょうか、どうもこの辺では大壁工法、オールクロス貼りの家であっても土台、柱に無垢材を使ってさえあればそう言うらしい。
しかも、石膏ボードは無垢の柱に直張り(胴縁を打たない)、構造用のダイライトにサイディングも直張り、床には根太も無い。
省けそうなものは徹底して省いてある。
これで瑕疵が出ませんか?って聞いたら『クレームの出ない家なんて100%ありえないんだから、これくらいでいいの』って。
なるほど・・・。
しかも坪39万円ってのがどうも怪しい。
掘下げて聞いてみたら『吹抜け』『勾配天井』『小屋裏収納』『玄関ポーチ』『ベランダ』など建築基準法上の床面積には算入されない部分も床面積として算入しちゃうんだとか・・・。
例えば一階に15坪分の部屋、二階に15坪分の部屋がある延床面積30坪(建築基準法、登記法上)のお宅でも吹抜けやらなんやらを算入してくもんだから実際は40坪とか50坪とかになっちゃうらしい。
で、この面積にいわゆる坪単価を掛け合わすんですって。
これなら当然、坪単価は下がりますわね。
でも、これって・・・。(苦笑)
正直、私にはとても共感できなかった(以前こういった方法をとっていた会社で散々、揉め事を経験してきた)んで、お客さんには分りにくくないですか?って聞いたら、『分りにくくても安く感じてもらえればそれでいいじゃないか、なんだかんだ言っても、いくら良い腕持ってても、仕事にならなきゃ意味無いでしょっ』との事。
最後の最後まで共感しきれない勉強会だった。
まっある意味勉強にはなったが・・・。