立会い
浜北区で設計中のK様邸は4方を道路に囲まれた大きな敷地である。
しかしながら南面道路以外の道路幅員は全て4mを満たさず1.5~2.5mほどしかない。
こうした狭い道路には救急車両なども入りにくく、周辺の安全・衛生環境などを担保させる観点から、建築基準法ではこうした狭い道路に接する敷地に何らかの建築行為を行う際は道路中心線から2mの範囲内に工作物を建築することを制限している。
これにより道路境界線がさがる行為のことを専門的には『道路後退とかセットバック』という。
『爺ちゃんのそのまた爺ちゃんの代からうちの敷地として使ってるだに・・・』とか『うちは道路が狭くても全然構わんもんで・・・』とか、それぞれのお宅にそれぞれの考えがあるだろうが、管理する役所に言わせると、『でも、そんなの関係ねぇ!』ってことなのだ。
セットバッしてそこには何も工作できないだけでなく、固定資産税まで負担させられたのではたまらない、との意見が多かったからかどうかは知らないが、数年前から浜松市などではこのセットバック部分の敷地を買い取ってくれるようになった、タダで。
ようは、市に寄付して、かわりに道路整備をしてもらえるようになったってことである。
セットバックする為には該当する敷地や道路の境界を確定させる必要があるのだが、これは役所の負担で行われる。
で、今日はその立会いをした。
役所の担当者4人、役所から依頼された土地家屋調査士さん2人、近隣土地所有者が5~6名、K様ご家族が3名と私、都合十数名が雨の降りしきる中、境界杭や境界の目印らしきものを確認しながら、あ~でもない、こ~でもない・・・。
調査士さんや役所の言い分は正直納得しかねることが多かったが、K様の『まぁ、そう言うんなら仕方ないね』という心の広い一言で全ての境界確定がなんとか完了。
結局、官地含む7者での話し合いの末、現況から敷地を削られたのはK様のみ。
なんかちょっと腑に落ちない気もするのは私だけか・・・。
やれやれ、K様お疲れ様でした。