預かりもの
会社を創業した頃からだっと思うが、全ての事や物は「預かりもの」なんだと感じるようになった。
というより、そう思うことで気持ちが楽になった。
会社、資産、資源、命…。
一時的に「預かってるもの」だと考えれば、どこかしら誰かしらにいつかは返さねばならない。
大切に「預かってるもの」だから、預かった時よりも減らしちゃいけないし、ましてや失くしてはいけない。
しょせん「預かってるもの」なんだから、欲をかいて増やさなくたっていい。
会社だって、自分のものだと思うならば、ひたすら大きくすることだけを願うだろうけど、返すものだと思うと、返される継承者の立場だったり時代のニーズなんかも考慮しなければならない。
もし、親が資産を残してくれるような事があったのなら、それだって減らすのではなく、僅かばかりでも増やして家族につなげたい。
親や社会から受けてきた愛情だってそうだ。
自分が受けてきたもの以上の愛情を子供や社会に与えるべきだろうし、命だってそう。預かりものなんだから大切にしなきゃなんない。
若い頃は、自分を大きく見せようと必死で、なんでも自分のものにして、それを増やすことだけに必死だったが、そもそも、そんな器じゃないのに虚勢ばかりはってると、ストレスに押しつぶされてしまう。
人生、たかがかりもの競争、だと思えば少しは楽になるのかな。