「無料・・」の怖さ
今日の話しは、あくまで「私見」と捉えてください。
業界の方にとっては耳の痛い話しかもしれませんので、スルーしていただくことをお勧めします。
「ただ」「無料」「無償」・・。
消費者にとっては、なんとも嬉しい言葉の響きです。
「無料プラン」や「無料相談」、「無償点検」などなど。
こうした言葉は、不思議と景気が悪くなるにつれ増えてきます。
景気が悪いのに「ただ」とは、提供する側にとって何のメリットがあるんでしょうか。
「住宅業界のタダ」についてはいずれ触れますが・・。
今回は、「無料相談」の代名詞である、ファイナンシャルプランナー(FP)業務について考えてみます。
相談はタダなのに、「ありがたい」提案をしてくれるそうです。
どんな提案が多いか、よく耳にする話では・・。
・自己資金はなるべく残して、その分、ローンを組んだ方が安心
・住宅ローンを払っている間も貯金はするべき
・その自己資金や貯金は、運用して増やすと良い
・保険の見直しをした方がいいのでは・・
・返済額は、返済期間を長くしてでも、アパート代くらいに抑えた方が安心
などなど
もし、FPの提案を、皆さんがお金を支払って受けたものであれば、信用に値するかもしれません。
しかしながら、多くの相談は、なぜか「無料」で行われているのです。
なぜか。
相談を受けたことのある方は、思い返してみてください。
そのFPを何処で知ったか。
無料相談を知るきっかけのほとんどが、「検討中の工務店からの紹介」「銀行主催のセミナー」「保険会社主催のセミナー」だったりするわけです。
実は、私の知る限り、FP業務だけでご飯を食べている人はほとんどいません。
彼らの収入源のほとんどが、「保険の切り替え」「住宅ローンの借り換え」「預金の投信への切り替え」などで得る手数料や紹介料なんです。
これかの仕組みを知ると合点がいきますよね。
そうです。彼らにとっての「お客様」は、消費者ではなく、金融機関や保険会社、もしくは住宅会社になっている、ということなんです。
個人をターゲットにするより、法人をターゲットにした方が、商売としてみれば、効率がいいでしょうからね。
もし、皆さんをお客様とし、お客様に有益な情報を提供しようと考えるFPがいたとするのであれば、本来は「有料」になるはずなんです。
FPという資格を否定するものではありませんし、すべてのFP業務を否定するつもりもありません。
ただ、消費者の皆さんは「無料」に潜む怖さをふまえた上で、賢く「無料」と付き合うことが大切だと思うわけです。