改修か新築か
時代の流れでしょうか、築40数年を「改修」にするか「建替え」にするか、とか、中古住宅付の土地を購入して改修するか、それとも更地を購入して新築するか、みたいな相談が増えてます。
まだまだ使えるものを潰してしまったり、思い出の詰まったものを処分してしまうのは、非常にもったいないことだし、残念なことです。
できるだけ残す方法を検討したいものです。
しかしながら、「改修」を希望する相談者の理由のほとんどが、「安上がりだから」であることには一抹の不安を感じます。
例えば、30坪の建物を新築すれば、諸費用も含め3000万円かかってしまうが、40坪の古屋を解体せずに改修すれば、2000万円で済むので安上がり、みたいな。
実は、改修工事で失敗する人のほとんどが、自己資金と無理のない借入金額を合算して工事予算を決め、「ココを綺麗にして、ソコを使いやすくして、はたして我々の工事予算で納まるか」みたいな判断をいたします。
ここで考えなければいけないのは、30代から40代の方たちが改修工事する場合、終の棲家を目的にしているのであって、一度改修した住まいは、90才まで持ちこたえてくれなければいけません。
いくら当初の予算で納まって、ゆとりのある返済をしていたとしても、万が一その建物が、70代や80代の時に、構造材が朽ち果てて建替えをしなければならくなったり、大規模な改修が必要になってしまったのでは、皆さんの生活は完全に破たんします。
こんなことなら3000万円かけて、最初から建替えとけばよかった、となりかねません。
改修工事の資金計画で失敗しないためには、予算の範囲でできる限りの改修をする、のではなく、「この家に生涯済むためには、いくらかけるべきか」を住宅会社に見積もってもらった上で、その費用や返済金額に無理がないか、身分相応か、をふまえて購入の判断をすべきなんです。
どうか、安物買いの銭失いとなりませんように。