100万円は高いか安いか。
一昨日、若いご夫婦が来社されました。
今年の3月に土地を購入、以来様々な住宅会社を訪ね、勉強しているようでした。
ただ建築士でもある奥様は設計事務所勤めであることもあり、なかなか拘りが強く、ここに頼もうと思えるような住宅会社に今まで出会えなかったらしい。
で、弊社の施工例などご覧になりながら、いたく気に入っていただいた様子だったのですが、なにやらご夫婦でもぞもぞしてる・・。
「まさにこういう家を探してたんです。ただ、実は工期があまりなくて・・。扇さんに依頼した場合、来年の3月15日までに完成ってできますでしょうか?」
今現在、基礎工事中だったり、地盤改良してたりする方に、「来年の3月入居は厳しいかもね」って話しをしてるくらいなので、もちろん難しい。
基本設計や実施設計に時間を費やさなければ、依頼されてから2~3か月で着工できるでしょうし、窯業系サイディングやクロス使って、構造材もプレカットしちゃえば、工期だって3~4か月。
そしたら3月の入居も可能でしょうが、そういった家づくりに納得いかずに弊社にみえたわけでして・・。
弊社の場合、依頼を受けてから着工するまで最低半年、着工から竣工までも最低半年はかかってしまうので、急いでも完成は来年の今頃なんです。
そもそも家づくりのプロでもあるご夫婦が、何故そんなに完成を急ぐ必要があるのか。
理由が「住宅資金贈与」にありました。
今年の3月に購入した土地は親の援助も入っていて、来年の3月15日までに完成しないと100万円ほどの贈与税がかかってしまうんです。
確かに目の前に100万円積まれたら逃したくない。
でも、これから先をずっと快適に住もうとしたとき、設計には時間をかけなければならないし、素材だって拘りたいから工期もそれなりにかかる。
100万円と快適の天秤。
どちらに重みがあるか。
まだご夫婦の結論は出ていないようである。