接着剤の劣化
昨日は早めに帰宅できたので、久しぶりにランニングマシーンにのった。
歩くスピードを少しづつ速めていくと、シューズの裏側に違和感が。
ぱっくりしてる。(-_-;)
数年前に買った靴だけど、ほとんど使ってないし、室内使用しかしてないのに。
テンション下がるわ~。
なんて思いながら靴を脱いでいるときにある出来事を思い出した。
20年以上前、施主さんのある事情により、上棟後間もない現場が中断することになった。
解体して処分するとなると莫大な費用がかかり、施主さんの負担が大きい。
そこで私は構造材を丁寧にばらし、それを大学時代の友人たちとお金を出し合って買い取った。
実は当時、彼らと、長野県の根羽村に小さな別荘を作る計画が持ち上がっていた。
建築学科出身の友人だけに、ハウスメーカー勤務、ゼネコン勤務、設計事務所勤務、大工さん、板金屋さん、水道屋さん・・、と「人夫」は揃っていて、あとは材料さえ調達できれば格安に作れる。
土地は知り合いが無償で提供してくれていた。
建て方してしまった木材でも、加工し直すのはお手の物。
割安に提供してもらえれば、施主さんも私たちも助かる。
慣れない4tロングのトラックで、おっかなびっくりしながら根羽村に運んだのが秋も終わりの頃だった。
暖かくなったら作業を開始しよう、ってことでブルーシートで木材を丁寧につつんで春を待った。
春になって現地で友人たちと落ち合い、ブルーシートをめくったとき、衝撃が走った。
数か月前に、わざわざ運んできた木材は、全てがバラバラに割れていた。
「剥がれていた」と言った方が正しいかもしれない。
実は、構造材は全てが「集成材」いわゆるエンジニアリングウッドだったのだ。
まさか・・。
当時から集成材の接着剤技術には、絶対的な信頼があると思われていた。
しかしながら、その信頼むなしく、全ての木材が接着面から剥がれてしまったのである。
無残にもバラバラになってしまった「木材」は高価な「焚き火」となり、我々の体を温めたのだった。
その時を境に、構造材には「無垢材」を使うようになり今に至るわけです。