【2】「低炭素住宅」とは?
こんにちは、扇建築工房の井口慎弥です。
住宅性能の評価基準があふれていて
設計者はともかく家づくりを考えている方で
かつ、それを重要視している興味のある方にとっては
「結局どう違うの!?」ってなりませんか?
省エネ法
高気密高断熱
長期優良住宅
住宅性能表示
住宅性能評価
断熱性能等級
温熱等級
一次エネルギー
低炭素住宅
LCCM住宅
HEAT20
BELS
CASBEE
・
・
言葉だけでもまだまだ・・
自分の整理も含めて、これらの違いを一覧にした記事をつくったら
このような評価基準に興味ある方の参考になるかなと意気込んでいましたところ
膨大すぎて早速挫折しました泣
少しづつやろうと思います。
本来は建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)から始めると順を追って分かりやすいのですが順不同で。
今回は「低炭素住宅」。
かなり技術的内容をそのまま記載していますが半分忘備録のため、ということで読み飛ばしてくださいませ。
以下、記事参考・出典
一般社団法人住宅性能評価・表示協会HPより
低炭素建築物認定マニュアル [2018/04/01]
低炭素建築物新築等計画に係る技術的審査業務規程・技術的審査の手引き [2018/04/01]
低炭素建築物 認定申請書作成の手引き [2018/04/01]
外皮平均熱貫流率、及び平均日射熱取得率算定のための補助資料 [2013/01/25]
目次
「低炭素建築物」とは
●どういう建物のこと?
二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物
●認定の基準は?
基準①外皮平均熱貫流率(UA値) 省エネ法と同一
基準②冷房期の平均日射取得率(ηAC) 省エネ法と同一
(以上2つの算出は計算による。省エネ法と異なり仕様基準は使えない)
基準③省エネ基準で定めている一次エネルギー消費量と比べ概ね▲10%
省エネ基準における当該指標の性能水準は、建築物省エネ法に基づく外皮性能に標準的な設備機器を設置したレベルに設定されている。これは、現在の建築物における外皮性能等の達成レベルを勘案し、達成すべき最低限のレベルとして定められた基準値となっているが、本法においてはより高い性能を求められることとなる。
ということで省エネ法を最低基準と位置づけ、一歩上を指標としています。
具体的には省エネ基準で定めている一次エネルギー消費量と比べ概ね▲10%とすることを基本
最終的な基準一次エネルギー消費量の値に 0.9 を乗ずるのではなく、建築設備に係る基準一次エネルギー消費量にのみ 0.9 を乗ずることに注意する必要がある。「その他一次エネルギー消費量」については、0.9 を乗ずることを要しないこととなる。
基準④低炭素化に資する措置
①~⑧の内2つ以上、または⑨
① 節水に資する機器を設置
イ 節水トイレの設置
ロ 節水水洗の設置
ハ 電気食器洗い機の設置
② 雨水、井戸水又は雑排水利用
イ 雨水利用
ロ 井戸水利用
ハ 雑排水利用
③ HEMS
(エネルギーの見える化、と、電気設備を最適に制御するための管理システム)
④ 再生可能エネルギー発電設備と連系した定置型蓄電池の設置
(太陽光と蓄電池、とか)
⑤ ヒートアイランド対策
イ 敷地緑化等
ロ 敷地の高反射性舗装
ハ 屋上緑化等
ニ 壁面緑化
ホ イ・ロ・ハ・ニの組み合わせによる措置
⑥ 劣化対策
イ 劣化対策 等級3
(耐久性の高い木を使うとか、通気をとる、とか)
⑦ 低炭素化に資する材料の利用
イ 木造住宅若しくは木造建築物
⑧ 高炉セメント等
(製造時に二酸化炭素の生成が少ないコンクリート)
イ 高炉セメント
ロ フライアッシュセメント
ハ 高炉スラグ又はフライアッシュを混和剤として利用したセメント
⑨ 総合的な環境性能評価
イ CASBEE等の所管行政庁が認めたもの
※市街化区域内の建築物に限ります。
都市の低炭素化を進める上で、建築物単体の低炭素化を図ったとしても、当該建築物の新築等により都市の拡散を招くものである場合、交通負荷の増大等により、都市全体としての低炭素化につながらないため、申請対象となる区域を市街化区域又は区域区分を定めていない都市計画区域のうち用途地域の指定がある区域のみに限定しています。
(低炭素認定建築物講習会Q&Aより)
まとめ
「低炭素住宅」とは
二酸化炭素排出が減るように
・断熱は省エネ法と同一
・一次エネルギー消費量は省エネ法の10%マイナス
・省エネ設備も導入した住宅
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井口慎弥/扇建築工房