「地盤が悪い」ときの対策2つ
こんにちは、扇建築工房の井口慎弥です。
自分の家がどう考えられてつくられたのか、知るともっと家に愛情がわく
ということで、今回は
「地盤が悪い」ときの対策の話。
一つは地盤改良
「地盤が悪い」と分かったときに
まず一つには
地盤改良工事を行なって対策をするというのは、よく知られています。
そうすることで
軟らかい地盤に建物を建てたときに、
重みで傾いてしまうことを防止します。
もう一つは、地震力の割り増し
地盤が悪いときには、これだけでなくてもう一つ対策をとります。
地盤は建築工学上、3段階に分類されていて
堅い地盤を、第1種地盤
著しく軟弱な地盤を、第3種地盤
それ以外を、第2種地盤
と呼びます。
建設地がどれに該当するかは
調査データなどから計算して詳細に判別したり
一般には静岡県ではこのように情報公開されている資料を使って
静岡県GIS
照らし合わせて地盤種別を判定します。
ここで第3種地盤に該当した場合、
著しく軟弱な地盤である、ということで地盤改良工事とは別に対策が必要です。
地盤が軟らかいと
下層で起きた地震の揺れが、表層へ伝わってくるときに、軟らかい地層で揺れが増幅されます。
とうふを手に乗せて左右にゆすると、とうふの上面は揺さぶられて、下面よりも振れ幅が大きくなりますよね。
ということから
建設地が軟弱な第3種地盤に該当する場合の木造建築物は
揺れが増幅されることに対して
想定地震力を割り増すという方法で考慮します。
2つ目の対策
具体的には
想定地震力を、通常の定めの1.5倍にして安全性の確認をする
壁の量を、通常の定めの1.5倍にする
(これらは正確には同じことではないのですが)
という対策をとります。
ちなみに厳密に言うと
「著しく軟弱な地盤」と指定された地域での木造建築物への割増しが法令で定められていて
静岡県ではこの地域指定をしていないので割増しは法令上の制限ではない
ということになるのですが
ここ書いた静岡県GIS上の第3種地盤に該当する場合の割増しは
「静岡県構造設計指針・同解説2014」により指針として求められている内容で
実質は最低基準として満たすように設計されています。
(これを満たしてれば十分なのか、というのは別の話として)
いずれにしても適切な対策を取ることで安全性の確認がされています。
井口慎弥
扇建築工房
iguchi@ougi.jp