「建物の形」と「外壁の面積」
こんにちは、扇建築工房の井口慎弥です。
正方形の家よりコの字の家の方が、つくるの何か難しそう、というのは感覚的に分かると思います。
そして工事の難易度だけでなく、同じ建坪の家でも平面形が細長いほど、実際に工事をする外壁の面積が多い、というのも何となく分かりますよね。
具体的にどれくらい違うでしょうか。
同じ面積で、平面形の違う家を比べてみます。
【①25マス 正方形の家】
外壁長さは20マス分
【②25マス L型平面の家】
外壁長さは24マス分
【③25マス コの字型平面の家】
外壁長さは32マス分
見るからに細長い感じ・・。
③は①の1.6倍の外壁長さ。かなり差があります。
1.6倍といってもピンとこないので実際の面積を外壁を算出してみます。
ひとマスを
1間×1間=1.82M×1.82M=1坪(畳2枚分の広さ)
とすると全て25マスで25坪の平屋となります。
外壁の高さを3Mとします。
①(外周長20マス分×1マス1.82m)×外壁高さ 3M=109㎡
②(外周長24マス分×1マスが1.82m)×外壁高さ 3M=131㎡
③(外周長32マス分×1マスが1.82m)×外壁高さ 3M=175㎡
①と③では66㎡の違い。
66㎡というと、畳40枚分。建坪が同じでも、これだけ外壁の面積が違う。
単純にそれだけ費用も時間もかかるということになります。
(極端な例をあげましたが)
ちなみに、
外壁の面積が大きいこと小さいことの、費用以外の特徴は見方によって違うでしょう。
外壁面積が小さいとそれだけ外気に面していない、という捉え方
↓
熱が逃げないから断熱性が良いという捉え方
反対に外壁面積が大きいとそれだけたくさん外気に面しているため
↓
窓がたくさん取れる、風通しが良く明るいという捉え方
などなど・・・
建物の形は、工事費用、性能、居心地、いろんなことに影響がある、非常に重要な要素ということです。
井口慎弥
扇建築工房
iguchi@ougi.jp