【6】「HEAT20」とは?
こんにちは、扇建築工房の井口慎弥です。
さらに高い性能を設定している指標に「HEAT20」があります。
「20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」という機関が提唱している断熱性能値です。
「欧米などでは,民間の関係団体が中心となり,自らの技術開発の目標とする,国民の関心を高めるため,国の制度・基準とは一線を画して,「望ましい姿」を民間主導で提案する取組みが盛んに行われています。そして,それらの先導的な活動が足元の技術力を引き上げ,新たな技術革新を生み出しています。日本でもこれらと同じ取組みを……」(出典:一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会 HP)
ということで2009年に発足した研究会、ということです。
性能等級の最高等級以上ではどれだけいっても5までなので、それ以上の性能を示すことができることもあって、断熱性能指標として「HEAT20」を用いているのを良く見かけます。
目標を「冬の室内体感温度」にしているところが、ほかの基準と違うところです。
目標温度にするために、これくらいの断熱性能が必要、というふうに示しています。
ほかは、一次エネルギー消費量がいくつ以下・・・という環境に対しての目標値が多いのに対して、体感温度だと分かりやすいです。
みていくと結果、暖房負荷も減るというのも示されています。
気温の感覚は、いつも温度計みてないと、ちょうどいい・寒い・暑いが、何度なのかがなかなか分からないかもしれません。
今の住まいに温湿度計おいてみると良いですね。
つくり手として必要なことなので、私は無印のタグツールという小さい温湿度計をかばんにつけ、常に持ち歩いてます。
2つのグレードが設けられていて
ここ静岡県が該当する6地域で
省エネ基準と比較すると
省エネ基準がUA値0.87のところ
G1というグレードでUA値0.56ということで、省エネ基準の1.5倍くらいの性能が設定されています。
G2というもうひとつ上になるとUA値0.46ということで、2倍近い断熱性能が設定されています。
(出典:一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会 HP)
さらに上のG3もあり、UA0.26と設定されています。
さらに、こうするとあるモデル住宅で、ある想定された時間、暖房器具を使用したときに
研究会の研究によって推奨されるこのような体感温度になりますよ、ということも示されています。
(出典:一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会 HP)
井口慎弥/扇建築工房