住宅の見学で大事なこと①
こんにちは、扇建築工房の井口です。
住まいをどうしようかと考え始めてインターネットでいろいろを探して
好みがあいそうな会社をみつけたら見学会に参加することと思います。
せっかく時間をかけて行くのだから
少しでもたくさんの設計の工夫やアイデアを得てこれからの家づくりに役立てたいですよね。
展示場でも見学会でも、見学で大事なことは
「座った状態でじっくりと見てみること」です。
一回も座ることなく住宅展示場なり見学会なりを見終わったとしたら
忙しい中せっかく時間をつくって見学に行っても狙った設計意図が半分しか体験できません。
例えば、最近のあるオーナー様のお宅の例です。
塀をつくって見えたくないものを見えなくしたいけれど、できるだけ圧迫感を感じないようにしたい、ということで施主様と相談しながら計画しました。
これは立っているときの目線からの眺めです。
向こうの駐車場や、道路の車が見えますね。
次に座った目線からの眺めです。
立っているときに見えていた駐車場や道路の車がちょうど見えなくなっています。
立っている時に合わせて塀の高さを決めたら、あと50センチくらいは塀を高くする必要があったでしょう。
そうすると座ったときには背の高い塀に囲まれて心配していた圧迫感を感じるものになっていたと思います。
というようなことが、見学会で立ったままでいると狙いを感じることができないんですね。
住宅の場合はキッチンのように立って使う場所以外は、ほとんどが床や椅子に座って使う場所ですから
普通は多くの部分が座ったときの目線を想定して設計されているはずです。
見学会では椅子の展示があって座って良いものだったら座ってみて、畳だったら床に座ってみて、浴槽にもできれば入ってみて
立っているときと座ってみたときとで、何が見えて何が見えなくなっているか
どうして居心地が良いと感じるのか
座ってじっくり体験してみるといろいろなことに気付くことができると思います。
井口慎弥