焼杉の外壁って、実際のところどうなの?
こんにちは。扇建築工房の三村です。
先週末の見学会にご来場頂いたみなさま、ありがとうございました。
その際に、みなさんが一様に興味深く見られている場所がありました。
外壁の焼杉です。
中には、「これって、腐ったりしないの?」等、質問してくださった方もいました。
扇建築工房の建物は、その多くが焼杉の外壁を使用しています。
なので、今回は『焼杉の外壁って、実際のところどうなの?』という観点で、簡単にその特徴をお伝えしたいと思います。
1. 焼いていない木材に比べて、腐りにくい
焼杉は、表面だけを焦がして炭化させています。
炭自体は、腐るということがないため、一般的な焼いていない木材に比べると、
腐りにくいという特徴があります。
加えて、扇建築工房で使用している焼杉は、手間をかけた手焼きで作られたもの。機械で焼いたものに比べ、表面の炭化層が硬くなっています。
2. 焼いていない木材に比べて、燃えにくい
一般的に、乾燥した木材の着火点は250℃前後。木炭の着火点は300℃前後といわれています。
つまり、炭は木材よりも着火点が高いため、初期の着火性は木材より低く、燃えにくいという特徴があります。
暖炉にくべるのは薪(=乾燥した木材)で、木炭を使用することはあまりないですよね。
3. 年月が経過すると、違う風合いが楽しめる
表面の炭は、時間の経過とともに少しずつ落ちていきます。
すると、どうなるでしょう?
炭が落ちると、木目が浮き立つ「浮造り*」になります。
新築時から、ゆっくりと時間をかけて変化していく風合いをお楽しみ頂けます。
*浮造り:木材の年輪を引き立てて見せるために、針葉樹の板の柔らかな部分を磨いてへこませ、木目の部分を浮き立つようにした仕上げ方法。
(住まいづくりの情報サイトe-house HPより)
↓こちらは炭化層が落ち切った焼杉の壁。木目が綺麗に浮き出ています。
どうでしたか?
私が初めて焼杉の外壁を見たときに、疑問に思ったことを中心にお話させて頂きました。
外壁は、建物を印象づける重要な部分であると同時に、防水や防火など様々な機能性が求められるところです。
じっくり検討してみてくださいね。
三村美香
扇建築工房 https://www.ougi.jp/
お問合せ https://www.ougi.jp/contact/