「外の柱は雨に濡れても大丈夫ですか?」
こんにちは、扇建築工房の井口慎弥です。
「外の柱は雨に濡れても大丈夫ですか?」という質問はたびたびいただきます。
はじめに、絶対に濡れないように一滴の水も、水蒸気も、湿気も、絶対にこの木に触れないように柱を完全に密閉するという方法が可能かというと、現実的ではありません。
仮にはじめはそれができても、隙間を塞いでいたゴムはだんだんと劣化し、木も収縮して動くので無かった隙間ができる、どんな小さな穴からでも水は入るし、湿気なんかは下から立ち上って入ってくる・・・
家は長く使うものなので、先のことも考えなくてはなりません。
木にとって良くないのは、濡れたままいつまでも乾かないという状態が続くこと。
そこで木造住宅では、全く濡らさないという考え方ではなく「濡れた場合にちゃんと乾く」という考え方が基本です。
もしこの柱を完全密閉しようとして水も湿気も水蒸気も全く入らないつくり(を目指して)でつくっても水はどこからか入りこみ、入った水は外に出れずに中で蒸し蒸しになってしまうでしょう。
デザインで何かの壁材で柱を覆っているようにみえても、中が濡れたときに乾くよう見えにくいところで隙間があるのが普通です。
写真のような裸の柱は、濡れても良く乾く使い方なので問題ありません。
井口慎弥/扇建築工房